日記
ストーリーのある建築とない建築
建築は「ストーリーのある建築」と「ストーリーのない建築」に分けることができます。
「ストーリーのある建築」とは、例えば美術館のように歩く順路が決められている建築のこと指します。
一方、「ストーリーのない建築」とは、例えば住宅のように歩く順路が決められていない建築のことを指します。
ある美術館はエントランスから出口まで一方通行なので、音楽や小説、または映画やフルコースの食事のようにストーリーを構成することが出来ます。
もちろん、一方通行ではない構成で創られた美術館もあります。
住宅はたとえエントランスから始まっても、寝室が最終目的地でもなく、必要に応じてキッチンやトイレを行ったりきたりするので、ストーリーを構成しづらい建築です。
建築にとってストーリーとは、風景のシークエンスであったり、空間の伸縮であったり、光と影のリズム、等々いろいろな手法が考えられます。
ディズニーランドでアトラクションの順番待ちのため長い洞窟の中を歩くとき、空間の伸縮や音などで私たちを退屈させないようにしていますが、あれもアトラクションに至るまでのストーリーといえるでしょう。
ディズニーランドの例でも分かるとおり、「ストーリーのある建築」は比較的考えやすいのですが、本当に醍醐味があるのは「ストーリーのない建築」かも知れません。
「ストーリーのない建築」は時系列に頼らない手法を構成しなければなりません。
小説や映画において、あえて時系列をばらばらにしてストーリーのない構成を狙った作品も多くあります。
建築は必ずしも音楽や映画のように時系列に縛られないこそ、かえってストーリーのない構成の方が手法として難しいのかもしれません。
しかし、そこに建築特有の効果を掘り出せる手法(マニエラ)が見つかるのではないかと思うのです。
カテゴリー: 日記 | 投稿日:2011/02/02 | 投稿者:
