リサのおうち

リサのおうち
アン グットマン,ゲオルグ ハレンスレーベン
好きな絵本のキャラクターに「ペネロペ」というコアラがいます。
色彩が綺麗なんです。
パリ在住の作家、ゲオルグ・ハレンスレーベンとアン・グットマンの作品です。
彼等はペネロペの他に「リサとガスパール」というイヌのようなウサギのようなキャラクターも生み出しています。
最近知ったのですが、「リサのおうち」という絵本によると、リサはパリのポンピドゥーセンターの大きなパイプの中に家族で住んでいるのです。
この設定にはびっくりしました。
ポンピドゥーセンターは建物の壁に沿って斜めにはしるチューブ状のエスカレーターが特徴なのですが、リサはこの絵本の中でエスカレーターの手摺を滑り台として遊んである失敗をします。
名作の建築の特徴から生みだされた、微笑ましいエピソードに思わず頬が緩みます。
新基準
ブログ再開です。
いろいろな人から、最近ブログ更新してなくない?
といわれつづけて、はや2か月。
じつは、あまりに忙しくてブログをしばらくやめようと決意していました。
忙しくなった原因は、6月20日から始まる確認申請における新基準の審査です。
ご存じの方も多いかとは思いますが、構造計算を中心に審査の基準が厳しくなり、提出書類も増えました。
これまで、普通に審査に合格していた構造形式の建物が、これからは今までの何倍の時間とお金をかけないと審査に合格しなくなりました。
本当にこんなことでいいのか疑問です。
関東大震災以降の大震災を思い起こしてみると、震災時に崩壊した建物は2種類に分かれます。
一つは本当に古い建物。
もう一つは簡単な構造形式でいい加減に計画した建物。
建築家と構造家がチャレンジ精神をもって設計した名作が崩れたという話は聞いたことがありません。
今回の建築審査の新基準は日本の建築を大きく後退させるだけではないでしょうか。
ミッドタウン


3月30日にミッドタウンに行きました。
オープニングの日でしたが、歩けないほどの混雑はなかったです。
みなさんは六本木の街と聞いてどんなイメージをしますか?
私が六本木と聞いて、まず思い浮かべるのが高速道路の高架です。
その次に六本木ヒルズ。
つまり、私にとって六本木はベビーカーを押して歩けるような街のイメージではなかったわけです。
しかし、ミッドタウンができたことで、自分にとって六本木のイメージが随分かわりました。
それは、ミッドタウンの建物でも、たくさんある様々なお店の効果でもありません。まさしくそれはミッドタウンの広い芝生と空き地がもたらした効果です。
六本木のイメージを変えるには最低これぐらいの公開空地は必要だと思います。
逆に考えるとこれくらいの空地だけで、六本木というとてもインパクトのある街でさえ、イメージが変わる可能性があるわけですね。
空地は、都市計画や街の計画で一番ないがしろにされがちですが、やはり一番重要なファクターだと改めて確信しました。
空地は計画された敷地内部だけではなく、計画の外部を含めた街全体のイメージさえも変えてしまうのですから。
コルビュジェが夢みた「パーク・アンド・タワー」を垣間見たような気がしました。
プレカット工場視察
静岡のプレカット工場に視察にいきました。
途中で富士サービスエリアで休憩。
久しぶりにこのサービスエリアにきてびっくりしました。
スタバが富士山を独占できる場所に、独立して建っていました。
ここで休憩しました。

その後、プレカット工場にいきましたが、あらためて勉強になりました。
木材は山からではなく、海から来るものなんですね。

設計事務所で描いた図面をもとにできたプレカット図はネットでデータのやり取りをし、最終的にはプレカットの機械に送られます。

最近は金属もそうですが、材木も値上がりが進んでします。それを、廃材を燃やして自家発電に利用したりして、なんとか値上げしないように頑張っている中国木材さんには頭がさがりました。
これからも、定期的にいろいろな工場を視察していこうと思います。
年度末
年度末なので、分譲物件などの仕事の依頼も増えてきます。
予算取りの季節なんですね。
4棟の分譲物件で、ちょっとだけ面白い案かなと思って提案すると、
事業主さんに「もう少し、普通のやつをお願いします。」
というようなことを言われました。
すべては売れるためなので仕方がないことですが・・・。
一方、本日(日曜日)、あるエンドユーザーのクライアントに注文住宅の提案をしました。
普通な案と、ちょっとだけひねった案と、かなりひねった案の3案を提案したのですが、
かなりひねった第3案が、「これ、いい!」「どうせ坂野さんに頼むんだったら、これぐらいの方が楽しそう」と言われました。
先述の分譲の一件があったので、意外な反応で少し戸惑いましたが、
これこそエンドユーザーが求めている提案なのだと、改めて確信しました。
売れる物件を作りたい事業主さんに内緒でお教えします。
エンドユーザーが本当に必要としている物件とは、設計者が考え抜いた「第3の案」ですよ。
パーク・アンド・タワー
連休ですね。
天気はいいのですが、お仕事されている方も多いと思います。
お疲れ様です。
設計の仕事もそうですが、連休空けの締め切りって多いのが常ですよね。
さて、前回のブログで「機械」という言葉から始まって、コルビュジェの話になりましたので、今回も少しコルビュジェのことを書こうと思います。
彼が面白いのは、効率化された都市を計画することによって、人間と人間、そして人間と自然がうまく共存できると考えたところです。
トニーガルニエの工業都市計画やエベネザー・ハワードの田園都市も、もちろん人間と自然の関係を考慮していますが、コルビュジェの都市計画はこれらの都市計画とはまったく異なります。
コルビュジェが提唱した都市は、100階建て以上の高層ビル(マンション)を間隔を大きくとりながら、建てていくというものでした。高層ビルの下には信号の無い高速道路をメインとした交通網と広大な公園が広がっています。電車は全て地下鉄とします。
高層ビルには住戸はもちろん、店舗もオフィスも学校も交通以外の全ての施設が備わっています。
人は、家からオフィスや学校へはエレベーターで移動するため、無駄な時間はかかりません。
地上に下りれば広大な公園でリラックスできます。
そのうえ、電気や上下水道といった設備も集中するので、無駄がありません。
つまるところ、彼が提案したのは、都市の密度を上げて効率化し、その副産物としてできる大きな余白(自然または公園)を楽しみましょう、ということでした。
また、中途半端な高密化は、かえって人間や自然の毒だということです。
なぜなら、中途半端な高密化だと交通も設備も無駄が多くなり、余白も中途半端になり、これでは人間も自然も生存しにくい環境となってしまうからです。
例えば、都市の小さなどんぐり公園ではカブトムシは生存しませんよね。生態系が多様化するには、ある程度まとまった広さが必要なのです。
それでは、現在の都市、東京はどうでしょうか?
都内で小さい敷地で住宅を考える際、いつも、コルビュジェのことが頭に浮かびます。
自然を救済することは、人間を救済することと同意だと、彼はいち早く気付いていたのだと思います。
立春
節分が過ぎました。
いよいよ、春ですね。
「節分」という言葉は、文字通り季節を分けるという意味で、もともと1年に4回あったそうですが、現在では冬から春に変わる2月3日の風習だけが残っているそうです。
私は花粉症なので、正直、「ついに来たか・・・」という感じです。
さて、冬は過ぎ去っても、厚生労働大臣の女性に対して機械と表現した騒動は、まだまだ続いているみたいですね。
かつて、建築家ル・コルビュジェは、「住宅は住む機械である」(machines ? habiter)と発表し大変話題になりました。
コルビュジェは、住宅を装飾ではなく、機能で人を幸せにしようと考えたのだと思います。
しかし、実際の彼の計画は、そんなにドライなものではありません。
彼は、人と自然と交通のより良い関係性を模索し続けました。
その理念は、50年以上たったいまでもいき続けています。
話は戻って、もし民主党が政権を取っていたとして、民主党の厚生労働大臣が同じ発言をしたとしたら、そのとき野党である自民党は、今の野党と同じように国会を欠席して審議拒否をしたのでしょうか?
どちらにしろ、「とりあえず、失言をした政治家のけじめは選挙の時に国民にしてもらうこととして、国会では他の大事な議論をどんどんしましょう」という野党が現れたら、支持したいですね。
(由)
上棟式
1月27日は上棟式でした。
1月は二つの地鎮祭と一つの上棟式があり、おめでたい月となりました。
上棟式のやり方の相談も時々あるので、ここで紹介しますね。
まず、棟飾りを棟の高いところに付けます。
この棟飾りは、最終的には小屋裏に隠れてしまいますのでよく拝んでおきます。
海の幸、山の幸を建物内部に供えます。
お塩、お米を建物の四隅の柱に盛り、御神酒をかけます。
クライアントのご挨拶、建築士のご挨拶、建設会社さんのご挨拶と進みます。
その後、棟梁、もしくは建設会社の方が乾杯をします。
この後、「直来(なおらい)」といって宴会が行われます。
職人さんのほとんどはお車で来ていますので、アルコールは基本的に飲みません。
そういう時節柄、「直来」が割愛され、乾杯のあとすぐに「締め」となる場合もあります。
「締め」は鳶の頭がやる場合が多いですが、大きな建物では建設会社の方が行います。
「締め」は3本締めが多いようです。
最後に、クライアントの方から職人さんや現場監督さんにご祝儀と引出物をお渡しして終わりです。
ご祝儀の額は参考までに書きますと、大工の棟梁、鳶の頭には2万、現場監督さんには1万、その他には5千円という感じでしょうか。
引出物は御神酒とお赤飯と紅白餅等です。
建設会社さんに相談すれば、全部一式で揃えてくれます。
地方ではそれぞれいろいろな上棟式のやり方がありますので、上棟式はどうしようかなと思われている方は建設会社さんや建築士に遠慮なく相談してみては如何でしょうか。
ちなみに、上棟式に供えた海の幸、山の幸や引出物のお餅を食べるとお金が貯まると言われていますよ。
コーチング
最近、あるクライアントから、
「コーチングの実験台になってくれませんか?」
と聞かれました。
ある講習を受けて、誰かをコーチングするという宿題が出たそうです。
そこで、格好な相手として私に白羽の矢がたったわけです。
私はコーチングと聞いて、他人にあるスキルを向上させる方法のことかなと思ったのですが、どうやら違うみたいです。
クライアントの説明によると、コーチングとは、コーチする人がコーチされる人に質問を出して行き、コーチされる人が自分で解決方法を導いていく作業のことのようです。
内容を書くと長くなるので書きませんが、電話にて30分ぐらいでコーチングは終わりました。
最後の質問は、「こういったコーチングはお商売として成り立つと思いますか?」
でした。
私は「成り立つと思いますよ」と答えました。
江原さんのスピリチュアカウンセリング等がこんなに流行る時代ですから、人の心理や感情を上手にコントロールするという需要はあると思います。
しかし、コーチングもカウンセリングも同じくする側の力量が問われていくことになるでしょう。そうやって淘汰されていくのは他の仕事と同じだと思います。
話はかわりますが、フラットハウスのホームページは去年暮れに予告した通りリニューアルいたしました。まだ完全ではないですが、取り急ぎUPしています。
新しいホームページもどうぞ宜しくお願いします。
新しいホームページについてはスタッフの澤田くんがかなりがんばりました。ありがとう!
その澤田くんのブログでは、おもしろいアングラ情報を紹介していますのでこちらも紹介しておきます。
また、フラットハウスではみなさまから建築、土地の様々なご相談を承っております。
ご相談はこちらからどうぞ。
(由)
地鎮祭

今日は地鎮祭です。
今年になってもう二つ目の地鎮祭となります。
去年最後の地鎮祭が12月18日でしたから、ここのところ2週間に一つのペースです。
幸い3つとも晴れの日で、とても気持ちよくお祈りすることができました。
地鎮祭の中で「降神の儀」と「昇神の儀」というのがあります。
「降神の儀」はその言葉通り、神様にその敷地へ降りてきていただくための儀式です。
そのとき、とても言葉では表現しにくいのですが、神主さんが
「うぉぉぉぉぉーーー・・・」
と低いうめき声を発します。
この声はとても独特で、神主さんによっても少しずつ声の出し方が違います。
クライアントの方にはこの声で笑いが込み上げてしまい、それをこらえるために肩がふるえてしまう方もいらっしゃいます。
不謹慎と思い、笑いをこらえようと思えば思うほど、はまってしまいます。
それほど不思議なうめき声ですが、その意味を猿田彦神社の神主さんから教えていただきました。
この声は「ヤタガラス」という神話上の鳥の鳴き声をまねたものだそうです。
調べてみますと、日本神話ではヤタガラスは神武天皇が神武東征の際、熊野から大和への道案内をしたとされています。
参列していたスタッフが「ヤタガラスってサッカー日本代表チームの紋章ですよね」
というので、ヤタガラスは一層気になる存在になりました。
「足が3本あるんですよ」とスタッフ。
「へぇー。」
