環境
自分は建築家として、これ以上環境を悪くしたくない、むしろ良くしていきたいと考えています。
多分、みんながそう考えていると思います。
しかし、いろいろな事情があり、だれもが環境破壊に参加していることから逃れられないはずです。
環境サミットのために首脳たちは世界各国から飛行機で移動します。
その飛行機での移動がすでに環境破壊となります。
世界でトイレットぺーパーを使用する人の数は世界全人口の割合で考えるとごくわずかだそうです。
世界の全て人がトイレットペーパーを使用したら、地球上の樹はあっという間になくなってしまうそうです。
だからといって、いままでトイレットペーパーを使用していなかった人々に対して、使っていけないとはいえません。
だから環境問題は難しいのです。
以上のことは大学時代の恩師、建築史家、村松貞次郎先生に教えていただきました。
地球温暖化問題に取り組んできた米副大統領ゴア氏がノーベル平和賞に選ばれたことを知ったとき、真っ先にこの村松先生のお話を思い出しました。
環境問題解決には大きく分けて二つのことが必要ではないでしょうか。
一つは人々の意識改革、危機意識。
そして、もうひとつは技術革新。
この二つの両方が改善されて、はじめて環境問題は解決へと向かうのだろうと思います。
「地球の秘密」を書きあげた直後に脳内出血で倒れ、その短い生涯を閉じた少女、坪田愛華ちゃんの願いは僕の願いでもあります。
でざいん
昨日、JR立川駅にできた新しい駅ビル、エキュートに行きました。
その3階にあるD&MOTELS STOREに寄りました。
そのお店にいたのはほんの10分ぐらいでしたが、デザインのことをあらためて考えさせられました。
例えば、医療用のガラスの瓶やシャーレが小物入れとして売っています。
おそらく、こういったものはデザインを意識して造られたものではないと思います。
それが、デザインセレクトショップに並んでいるわけです。
デザインとは奥深いものです。
D&DEPARTMENTのHPを拝見したら、なんとMUJIのリサイクルもやっているんですね。
うーむ・・・これも、考えさせられました。
共生の思想
昨日、建築家の黒川記章さんがお亡くなりになりました。
心から、ご冥福をお祈り申し上げます。
僕が高校生のころ初めて知った日本人の建築家が黒川さんでした。
その時、僕は同じ名古屋市出身だったことを意識したことも覚えています。
建築家になれば、女優さんと結婚できて、世界中をまたにかけて仕事ができるんだ・・・と思わせる、お手本のような方でした。
最近では建築家業よりも都知事選や参議院選に出馬して、テレビやラジオにもよく出ていらっしゃいましたが、人間ばなれした独特の雰囲気が最後まで伝わってきました。
そんな黒川さんが発明した最重要の哲学があります。
「共生の思想」です。
ある人は訓読みで「ともいき」ともいうこの思想。
建築家・建築史家の藤森照信さんがある本の中で、「共生」はいまや万博のテーマです、と、この言葉がもはや使い古され感があることを示唆してました。
確かにそうかもしれませんが、それでも、「共生」という哲学は、生まれてから長い時が経って、たとえ色あせそうになっても、どうしても人類には必要な思想のようです。
また、未来になればなるほど、この思想は最重視されていく気がします。
例えば、福田新政権のテーマはなんでしたか?
そうです。
「共生と自立」でした。
やっぱり、凄いですね。「共生」。
たくさんの芸能人の夫婦の方々が破局をむかえるなかで、黒川さん夫妻は最後まで本当に中が良かったですね。
これも「共生の思想」の極意がなせる技の一つではないでしょうか。
断熱
今日は設計をさせていただいた住宅のなかでも、一か月前に完成したお宅を訪ねました。
ネームプレート(表札)とインターホンを組み合わせたアクリルのパネルを玄関に設置するということで、その立ち会いが主な目的でした。
お引っ越しの段ボールも片付き、家の中もいい感じです。
ふと、奥様からこんな言葉をいただきました。
「この家は以前住んでいた家より温かいんですよ。」
(この家は吹き抜けだらけの家なのに・・・)
うれしかったです。
勿論、温かいのには理由があります。
と、いっても単純な理由です。
屋根、壁の断熱材が一般的な住宅と比べると倍の量が入っているのです。
理由を聞いて、なーんだ、と思われる方もいらっしゃると思います。
でも、これはとても重要なことです。
新築を建てられる多くの方が、床暖房にするかしないかを検討されますが、断熱の量を気にされる方には出会ったことはありません。外断熱を検討される方もその断熱の量を気にされることは、まずありません。
これは、雑誌や本の情報のせいかもしれませんね。
断熱の量よりも床暖房や外断熱のほうが情報として花がありますから。
でも、断熱材の量ももっと話題になるべきです。
建物を衣服に例えると、もう少し実感がわくと思います。
薄着でホカロンもっている人はいないですね。
寒い時はまず、厚着しますね。その後ホカロン持つかを考えます。
建物もそれと同じで、まずは断熱材の量です。その後床暖をするか考えるのが順当だと思いますがいかがでしょうか。
しかし、ただ断熱材の量をやたら増やせば良いというわけではなく、断熱の種類、方法により、外壁と内壁の関係や通気層の有無を検討しなければなりません。
そういう難しいことは我々プロにまかしておけばいいのですが、とりあえず、断熱の量も大事なことと覚えていただくだけでも新築検討の方にとっては、かなりの違いがでますよ。
今日は温かい日でしたが、こんな話もお役にたてば幸いです。
喉飴
連休中に新築を予定されているご家族とお打ち合わせをいたしました。
とても、温かい雰囲気のご家族で、「こんなに温かいご家族の家を一緒に造れたらどんなに幸せだろう」と心から思いました。
僕は相変わらずの風邪で、マスクをしてのお打ち合わせでした。
お相手のご家族のなかにも風邪をひいていらっしゃる方がいたのにもかかわらず、僕にたいしても家族のように本当に気遣っていただいていることが伝わってきました。
僕の風邪はだいたい喉荒れから始まります。
だから、風邪の時は喉飴を常備します。
最近気に入っている飴があります。
「手塩にかけた心にしみる梅ぇ味」
「男梅 キャンデー」
です。
ノーベルという会社から販売されています。
なんだか、あの豆腐のようなネーミングですね。
濃ーい梅味でおいしいです。
今度コンビニで買うと三袋目になります。
ペテロナスタワー
夏のことですが、仕事でマレーシアのクアラルンプールにいきました。
2003年まで世界一の高さを誇っていた超高層ビル、ペトロナスタワーを見ました。
1998年に完成したビルですが、すでにマレーシアのシンボルとなっており、その証拠に飛行機のなかでマレーシアの宣伝画像を見るたびにこのツインタワーのイメージがいろいろなところで出てきます。
エジプトのピラミッドやギリシャのパルテノン神殿は歴史遺産としての威厳があり、その国のシンボルとしての(変な表現ですが)器となりえます。
現代にどんなすごい建物を造っても、その国のシンボルにまでなることは難しいのではないのかなと思っていましたが、ペトロナスツタワーはその常識を越えてしまいました。
2004年には台湾の台北国際金融センターに世界一の座を譲り渡し、2007年にはアラブ首長国連邦で建設中のブルジュ・ドバイが世界一高いビルとなりましたが、ビルの美しさ、シンボル性はやっぱりペトロナスツインタワーが一番だと僕は思います。
スターウォーズの一場面に出てきてもおかしくないぐらい未来的なのに歴史や文化の意匠を感じる。
ビルはいいなあと思う物はなかなかありませんが、このビルだけはどうしても気になります。
ずーっと見ていても見飽きない名作です。
ライブ
風邪はまだひいたままですが、今日は仕事をはやく切り上げて、渋谷のライブハウスにいきました。
お目当ては、ROUGH & READYというプログレのバンドです。
ボーカルのMさんの家を設計したのをきっかけに、ときどきライブを見させていただいています。
久々に聴いたのですが、本当によかったです。
心がシャワーを浴びた感じがしました。
プログレの曲は長く、風邪をひいていることもあって、頭がボーッとして、夢を見ている気分でした。
ROUGH & READYは少し前にフランスのマルセイユでライブをしてきたそうですが、そのときのエピソードも面白かったです。
キーボードの人がなんとホテルのバスルームに閉じ込められてしまったそうです。
バスルームの内側のドアノブが取れてしまって、扉が開けなくなったのです。
裸のまま閉じ込められてしまった彼は、結局は掃除のおばさんに開けてもらい、助かったとのこと。
今度からホテルのバスルームに入る時は、一応ドアノブをチェックした方がよさそうですね。
風邪
不覚にも風邪をひいてしまいました。
喉が痛く、体がだるいです。
僕が以前つとめていた設計事務所のボスは、風邪をひくとパブロンを一気に10錠飲んでいました。
僕がそんなに飲んで大丈夫ですか?と聞くと、
大正製薬の社長に会ったとき、10錠ぐらい飲んでも大丈夫だよと教えてもらったんだよ、と言っていました。
そうでもしないと、大物建築家にはなれないのでしょうか?
僕は10錠飲む勇気はないので、用量を守り3錠を今から飲もうと思います。
冷蔵庫にアリナミンがあるのでそれも飲んで寝ます。
みなさんも季節の変わりめですから、風邪にはご注意下さいね。
読書
読書の秋ですね。
僕は打ち合わせの移動中はだいたい本を読んでいます。
本のジャンルはあまりしぼらず、自分とは全く関係ない分野でも気になると書店で買って読みます。
最近読んだ本の中では、生物学者、福岡伸一さんの著書「生物と無生物のあいだ」が特に気に入りました。
我々人間は、海辺の砂浜で貝殻を見つけたとき、これが以前生物だったのだと直感で認識し、無生物の石ころと区別できる。
それはなぜか?
という疑問の投げかけからこの本は始まります。
それから、「生物とはなんなのか」という最終結論まで、まるで推理小説のようにスリリングに読者を導いていってくれます。
途中、読者は「生物とは自己複製を行うシステム」じゃないのかな?と思うのですが、福岡さんは、そうではないと否定し、次の推理が始まります。
それでは生物とはなんなのか?
それは、読んでからのお楽しみです。
とにかく、生き物好きの僕にはたまらない本でした。
家と家族の成長
週末に4年前に完成した家におじゃましました。
今回の訪問は、駐車場のスペースの増築とデッキの上に庇を増設したいというご相談がありましたので、その提案をするというものでした。
自分が設計した家とそのご家族に会うというのは、本当にうれしいものです。
最初にクライアントご家族にお会いしたときは、あんなに小さなお子さんだったのに4年も経つと「えっ!」っと声が出るほどお子さんの成長ぶりに驚かされます。
また、ご家族の成長とともに家の中の家具やそのレイアウトも少しずつですが、確かに変化しています。
その変化が微妙であっても僕はかなり気がついていると思います。
これは、やはり設計者だからなのでしょうか。
ちょっとした家具の移動でも、ピンときます。気がつきます。
しかし、本当のことをいうと、「こんな家具のレイアウトにしているんだ!」と驚くことも多いです。
そんな想定外の住まわれ方に出会うとき、心がドキドキします。
お子さん達はそうとはしらず、家の中を笑顔で走り回っています。
僕が、家とそのご家族がいきいきと住まわれていることを感じる瞬間です。
