紫陽花
もう6月も終わりですね。
私の事務所のポーチに咲いているアジサイもそろそろ終わりです。
アジサイは、その土のPH値によって色が変わるそうです。
酸性度が強いと青くなり、弱いとピンク色になります。
事務所のアジサイは青いので、おそらくその土の酸性度が強いのでしょう。
建築を設計するときに悩むのが色です。
恣意的に、「なんとなくそこの壁、赤にしようか」とはいきません。
建築は感覚的な芸術とは違うので、なにかを決定するときに論理的(または経済的)な帰結が必要なのです。
アジサイは取り合えず、色の決定要素が存在するところが、惹かれます。
私の家の玄関の前に咲いている、「すみだの花火」というアジサイも、かなり素敵ですね。
潮干狩り
先日、千葉の3番瀬海浜公園に潮干狩りに出かけました。
正確に言えば、出かけはしたものの、途中の渋滞に愕然となり、引き返した訳ですが。
なぜ、潮干狩りに出かけたかというと、3歳になる娘がとても貝が好きで、よく食べるのですが、実際に貝がどういうところに住んでいるのか、彼女が知らないということが、ずーっと気になっていたからです。
結局、渋滞で泣く泣く引き返したのですが、次の日の朝、改めて千葉の花の美術館に行きました。
幸いなことに、海岸はすいていました。
だめもとで、砂浜も掘っていたら、何個かは生きている貝を見つけることが、できました。
私は内心、ホッとしました。
ついに、娘は貝が海に住んでいることを知ることができたのです。
見つけた貝の中には、直径5センチほどの大きな巻貝もいました。
食べるつもりはなかったのですが、船橋に住んでいる、祖父と祖母に見せるため、持ち帰りました。
最終的には自分の家まで持ち帰り、しばらくバケツごと玄関先の小さな庭に置いて放っていました。
放っておいて2日目の朝、バケツの中に巻貝の姿はありませんでした。
私はてっきり、妻がごみと一緒に捨てたのかなと思っていました。
しかし、次の朝、妻の言葉には鳥肌がたちました。
「あの巻貝、突然消えたと思ったら、なんとお隣さんの室外機の近くにいたの! でも、もう死んでいて、蟻がたくさん集まっていたよ。」「なんか、かわいそうだったね。やっぱり、海に逃がしてくればよかったね。」
ショックでした。
巻貝が動いた距離は2M以上あります。人間だったらどれほどの距離に匹敵するのでしょうか?
室外機の音が波の音と感じたのでしょうか?
これまで、巻貝として直径5センチも成長するまでには、いろいろなピンチもあったと思います。その様々なピンチを、陸地を2M以上移動するほどのガッツで、または知恵で切り抜けてきたのでしょう。
しかし、今回ばかりは・・・無念だったに違いありません。
巻貝くん、本当にごめんなさい。
当初は娘に自然を教えるための潮干狩りでしたが、学ばなければならないのは自分でした。
不思議な診療所
とても不思議な診療所の改築を設計しています。
診療所は5階建てで、1階が診療所、その他の上階が住居となっています。
しかし、住んでいるのは診療所の先生のご家族だけではないのです。
そこに住まわれるのは、
・お医者さんのO先生とそのご家族
・鍼灸士のB先生とそのご家族
・診療所のインテリアコーディネーターのCおばあさん
一つ屋根の下に家族ではないけれども、家族のように住まわれています。
そして、みなさんが、ちゃんとそれぞれの役割と仕事が成立しており、さらには、相乗効果が生まれているのです。
そしてなんといっても、みんな本当に仲が良い。
社会学者の上野千鶴子さんが知ったら、とても興味を持つのではないでしょうか?
お医者さんのO先生の診療の方法も不思議です。
薬は基本的に漢方で、治療は整体や気功が主です。
そこのO先生の診療所には、他のお医者さんには治せなかった患者さんが地方から口コミでどんどん来ます。
そんな患者さんにとって大切なのは、メンタルな治療です。
だから、診療所の雰囲気はとても大切なのですね。
そこで、インテリアコーディネーターのCおばあさんの出番となります。
四季おりおりに合わせて、家具や置物で診療所の玄関やトイレの模様替えをしていくわけです。
今日は5月ということで、玄関にはなんと鯉のぼりとアトムの人形が飾ってありました。
この取り合わせには、私は心からすばらしいと思いました。
インスタレーションのような玄関です。
Cおばあさんの本業はアーティストで絵も描いて個展も開きます。
来ていた患者さんも、「来るたびに玄関の雰囲気が楽しく、最初はそれが楽しみでここに治療に来ていたんですよ」とおっしゃっていました。
このお言葉は、相乗効果の証拠ですね。
私にとっても、打ち合わせをする度に好きになる、とても不思議な診療所です。
カッコウ
先日、東京の郊外(というよりもはずれ)の現場にいきました。
そのとき、カッコウの声を聞きました。
ウグイスも鳴いていましたが、私はだんぜんカッコウの鳴き声に惹かれます。
カッコウの鳴き声はウグイスやヒバリよりも大きいためか、声が太く力強く、なんといっても鳴き声がそのままその鳥の名前になっているほど、インパクトがあります。
カッコウの鳴き声を聞いていると、身体全体が癒されるのを感じます。
「カッコウ、カッコウ・・・」
田舎はいいですね。自然はすばらしい。
しかし、こんなすばらしい鳴き声のカッコウの生態がとても惨いということは、よく知られています。
簡単におさらいしますと、かっこうは他の鳥の巣に自分の卵を産みます。
かっこうの卵は他の卵よりも早く孵化します。
孵化したひよこが最初にするのは、なんと他の卵を巣から落とすことです。
いわいる、「託卵」と呼ばれるやつですね。
人間の道徳から考えると、かっこうは生まれながらにして、とんでもない悪者です。
しかし、それを知っていてもなお、かっこうの鳴き声には癒しを感じます。
人間には危害がないからでしょうか。
一方、蚊の飛ぶ音は癒しどころか、大変なストレスを感じます。
これは、蚊が人間に危害があるからでしょうか。
おそらく、そういう訳ではないと思います。
どちらにしろ、自然とは単純な善悪の法則ではない訳ですね。
かっこうは生まれながらにして罪深い鳥です。
それでも、これからもずっと存続してほしい。
人間の社会では、エコという合言葉で自然を単純な善悪の因果関係の産物と考えがちです。
しかしながら、実際の自然はドライです。
それはまるで、人間界の経済のように・・・。
新居で見つけたもの
先日、設計した家が完成しました。
新居に住み始めたHAさんから、こんなメールがありました。
お世話になっております。
新居に住み始めて3日(私は土日出張だったため今夜で2泊目)、まだまだ片付いておりませんが、本当に素晴らしい家で感動しています。妻の両親や近所の方の評価、評判も相当高く、この家が我が家であることが誇りに思えます。本当にありがとうございました。
そこで、お世話になったAKさん、SK君、AOさん、坂野さんと自慢の新居でお食事ができればと思い、ご案内のメールをさせていただいた次第です。必ずしも妻の手作りとはお約束できませんが、ご一緒いただけませんでしょうか?日時は4月5日(土)18:30~を考えております。ご都合をご返信いただければ幸いです。宜しくお願いいたします。
最高にうれしいメールです。まずは気に入ってもらえてホッとしました。
そして、食事会の日におじゃまして、センスのいい家具がすっかり調えられており、とても感心しました。
家具だけでなく、いろいろな物がひとつひとつ丁寧に買いそろえられたものであることがわかります。
私がその中でとくに心を引かれたものは、胡椒とお塩が入った入れ物のセットです。
お互いハグしています。なんとも可愛らしいですね。
この日は本当に楽しい夜になりました。奥さんの手料理は、どれもすばらしく美味しく、クライアントのHAさん、建設会社のAKさん、SK君、AOさんとの会話は笑いが絶えることがなく、まるでずっと昔からの友人の集まりのようでした。
それもそうですね。だって、クライアントのHAさんと出会ってからもう一年近くになるわけですから。
その間、いろいろな問題も発生しました。
それをみんなで解決をしてきたクルーとしての団結ができています。
HAは食事会の途中で何回もこう(しみじみと)おっしゃっていました。
「いやー本当に家造りは楽しかった・・・。本当に楽しかった・・・。これは建売では味わえない醍醐味ですね。」
設計の仕事もまんざらではないですね。
さくらとアーモンド
また今年もさくらが咲いています。
みごとですね。
先日、スペイン人の方とお打ち合わせをした際、お花見が話題になりました。
スペインにも桜がたくさん咲いている名所があるそうです。
しかし、シートを敷いて、みんなで飲んだり食べたりする風習はないとのこと。
また、スペインでは日本のさくらのように国民に愛されている花はありますか?と聞いたら、意外な答えが返ってきました。
それはアーモンドの花だそうです。
さくらよりも一月早く花が咲くそうですが、確かにアーモンドの花は日本のさくらの花にそっくりですね。
ちなみに、アーモンドはイタリアのシチリア島ではアーモンド祭があるほど、地中海地方では愛されている木です。
温暖化か寒冷化か
前回は梅の花のことを書きましたが、もう桜が咲いています。
ある人から花粉症が治るんだったらいくら払いますか?って聞かれました。
・・・。
本当に考えちゃいますね。
自分はいつから、このいましましい病気に取り付かれたのか、今となってはもう忘れましたが、本当に憂鬱です。
自分の身体の変化から始まったのか、それとも杉の木が多くなっただけなのか、はたまたその両方なのか?
今日は温暖化についてブログを書こうと思っていたのに、脇にそれてしまいました。
皆さんは本当に地球の温暖化が始まっていると思いますか?
前にもブログに紹介したジュセリーノさんというブラジルの予知夢を見る方は、2012年の夏には、日本でも気温が摂氏51度に達する地域があると予言しています。
しかし、こういう説もあります。
「地球はこれからだんだん寒冷化が始まる。」
これは、東工大の丸山教授の唱えている説です。
1、2年前から太陽の活動と地球の磁場の両方が弱くなっている
2、そのため宇宙から飛来する宇宙線がたくさん地球内に入ってくる
3、宇宙線は雲を形成する核となり、雲がたくさん形成される
4、雲が増えると地球は冷える
ちなみに、太陽が活発だと宇宙線が地球に入ってこなくなり、地球の磁場が強いと宇宙線を遮断するそうです。
さて、的中するのは、予知夢か、科学か、どちらでしょうか?
flathouse sakano
チェーンメールのその後
前回ご紹介したチェーンメールですが、まさかというか、やっぱりというか、嘘のメールだったそうです。
RH-B型の血液の情報が病院に殺到して、朝日新聞にも異例のコメントが載りました。
やっぱり、ネットは怖いですね。
しかし、嘘とは知らず、見ず知らずのお子さんを助けるために、沢山の人が情報を送られたということだけは救いです。
先日の桃の節句はお祓いの行事ですが、こういったチェーンメールもひとつのお祓いだと思えば、笑ってすませるかもしれません。
チェーンメール
先日、妻の携帯にチェーンメールがきました。
要約すると以下のような内容のメールだったと思います。
血液型がRH-B型の赤ちゃんがある病気で輸血が必要ですが、なかなかRH-B型の方が見つかりません。お願いです、だれかいらっしゃいませんか?
幸い、メールがきてからまもなくRH-B型の血液型の方が見つかったというメールが届いたそうです。
次の日、もうすぐ着工予定の敷地にいきました。そこで外構屋さんと打ち合わせをしたのですが、その方が、「だれかRH-B型の血液型いないかなー?」というんです。
びっくりして、もしかして携帯のメールで来たんですか、と聞いたら、やっぱり同じチェーンメールでした。
「RH-B型の方はもう見つかったそうですよ」というと今度は外構屋さんがびっくりする番となりました。
ネットや携帯のすばらしく、そしておそるべき伝達力。
あらためて、感心させられました。
100歳と梅
私の家の近所に99歳のおじいさんが住んでいます。
ある朝、そのおじいさんが庭の端っこでじっと立ってなにかを見つめていました。
なにを見ているのかなと思い、視線の先を追いかけたら、そこには咲き始めの梅の枝がありました。
後で、思ったのですが、もしかしたらおじいさんは見ていたのではなく、梅の香を嗅いでいたのではないでしょうか。
梅の香りは咲き始めのほうがはるかに強いです。
「散りぬとも 香をだにのこせ 梅の花 恋しきときの 思ひいでにせむ」
春の初めは目ではなく鼻で春を感じたいですね。
今年100歳になるおじいさんはさすがに春の達人です。
