2011-08
これからの復興
日本の首相が変わり、ようやく東日本では本格的な復興が始まります。
文字通り津波でなにもなくなった町は無からの出発であり、コンピュータでいえば初期化された後のOSを再インストールする状態です。
幾つかの復興計画を読むとまだまだアウトラインの段階ですが、私は細かい箇所の自由なアイディアを募集するなどして、新しいまちのシーンごとの魅力のイメージを集めていくことも大事だと考えています。
そうして集まった「こんなのあったらいいね」的なアイディアを並べてながめながら議論をすればさらなるアイディアが生まれ、そこから新しい東北のまちの全体像、インフラのあり方が見えてくるのではないかと思います。
例えば、欧州にあるような電気自動車のための「充電スタンド」の普及というアイディアがでれば。それをもとにこれまで日本ではほとんど普及していない電気自動車のための充電専用パーキングの普及されたエコシティを東北で検討するのも良いでしょう。
スイスでは年間1万円弱程度で充電&駐車し放題のパーキングもあり、そういったまちづくりが電気自動車を普及する原動力になっています。
または、「電柱や電線がない美しい風景」という意見があれば、それをもとに新しい東北の風景や景観条例を考えていくのも良いでしょう。
復興では短期の雇用や被災者の衣食住の問題、震災時に被害が少ない町づくりの検討ももちろん重要ですが、もともと豊かな自然を背景に持つ東北の強みを生かしてスマートで美しいまちづくりを目指していくことは、新しい東北のブランドを構築する上でまたとないチャンスとなるのではないでしょうか。
夏の中国
先月中国の広州に行く機会がありました。
見本市の視察で行ったのですが、今回の中国で一番印象に残ったのが、日が暮れてからの歩道です。
歩道に面して建てられているマンションでは一階部分の殆どが店舗か小さな仕事場になっています。
すべてのマンションの2階部分は1階部分より張り出しているので、歩道の庇として貢献しています。(このあたりが民間レベルではなく、必ず政府レベルで建物計画ができる国の強みですね)
店舗は歩道に延長するように営業しています。
ビリヤード屋さんはビリヤードを当たり前のようにビリヤード台を歩道に置いています。
飲食店のテーブルはお店内部から歩道に伸びています。
夜は歩道にたくさん椅子を置き、テレビを皆で見ていました。
その隣の小さな工場では歩道に対して出入口を全開にして、何人かでミシンを回していました。(中国には仕事がたくさんあるので残業をしているのでしょうか?)
これらはバスでの移動中に見た光景ですが、歩道に面してブースごとに全く異なることが展開され、その一つ一つにパワーを感じました。
また、公園では夜は社交ダンスがあり、朝は太極拳の人で賑わいます。
案外開かれたコミュニティがあり、それを皆楽しんでいるなあという印象を受けました。
これからどんどん変わる国なので、次回はどうなっているか楽しみです。