2008-05
潮干狩り
先日、千葉の3番瀬海浜公園に潮干狩りに出かけました。
正確に言えば、出かけはしたものの、途中の渋滞に愕然となり、引き返した訳ですが。
なぜ、潮干狩りに出かけたかというと、3歳になる娘がとても貝が好きで、よく食べるのですが、実際に貝がどういうところに住んでいるのか、彼女が知らないということが、ずーっと気になっていたからです。
結局、渋滞で泣く泣く引き返したのですが、次の日の朝、改めて千葉の花の美術館に行きました。
幸いなことに、海岸はすいていました。
だめもとで、砂浜も掘っていたら、何個かは生きている貝を見つけることが、できました。
私は内心、ホッとしました。
ついに、娘は貝が海に住んでいることを知ることができたのです。
見つけた貝の中には、直径5センチほどの大きな巻貝もいました。
食べるつもりはなかったのですが、船橋に住んでいる、祖父と祖母に見せるため、持ち帰りました。
最終的には自分の家まで持ち帰り、しばらくバケツごと玄関先の小さな庭に置いて放っていました。
放っておいて2日目の朝、バケツの中に巻貝の姿はありませんでした。
私はてっきり、妻がごみと一緒に捨てたのかなと思っていました。
しかし、次の朝、妻の言葉には鳥肌がたちました。
「あの巻貝、突然消えたと思ったら、なんとお隣さんの室外機の近くにいたの! でも、もう死んでいて、蟻がたくさん集まっていたよ。」「なんか、かわいそうだったね。やっぱり、海に逃がしてくればよかったね。」
ショックでした。
巻貝が動いた距離は2M以上あります。人間だったらどれほどの距離に匹敵するのでしょうか?
室外機の音が波の音と感じたのでしょうか?
これまで、巻貝として直径5センチも成長するまでには、いろいろなピンチもあったと思います。その様々なピンチを、陸地を2M以上移動するほどのガッツで、または知恵で切り抜けてきたのでしょう。
しかし、今回ばかりは・・・無念だったに違いありません。
巻貝くん、本当にごめんなさい。
当初は娘に自然を教えるための潮干狩りでしたが、学ばなければならないのは自分でした。
不思議な診療所
とても不思議な診療所の改築を設計しています。
診療所は5階建てで、1階が診療所、その他の上階が住居となっています。
しかし、住んでいるのは診療所の先生のご家族だけではないのです。
そこに住まわれるのは、
・お医者さんのO先生とそのご家族
・鍼灸士のB先生とそのご家族
・診療所のインテリアコーディネーターのCおばあさん
一つ屋根の下に家族ではないけれども、家族のように住まわれています。
そして、みなさんが、ちゃんとそれぞれの役割と仕事が成立しており、さらには、相乗効果が生まれているのです。
そしてなんといっても、みんな本当に仲が良い。
社会学者の上野千鶴子さんが知ったら、とても興味を持つのではないでしょうか?
お医者さんのO先生の診療の方法も不思議です。
薬は基本的に漢方で、治療は整体や気功が主です。
そこのO先生の診療所には、他のお医者さんには治せなかった患者さんが地方から口コミでどんどん来ます。
そんな患者さんにとって大切なのは、メンタルな治療です。
だから、診療所の雰囲気はとても大切なのですね。
そこで、インテリアコーディネーターのCおばあさんの出番となります。
四季おりおりに合わせて、家具や置物で診療所の玄関やトイレの模様替えをしていくわけです。
今日は5月ということで、玄関にはなんと鯉のぼりとアトムの人形が飾ってありました。
この取り合わせには、私は心からすばらしいと思いました。
インスタレーションのような玄関です。
Cおばあさんの本業はアーティストで絵も描いて個展も開きます。
来ていた患者さんも、「来るたびに玄関の雰囲気が楽しく、最初はそれが楽しみでここに治療に来ていたんですよ」とおっしゃっていました。
このお言葉は、相乗効果の証拠ですね。
私にとっても、打ち合わせをする度に好きになる、とても不思議な診療所です。