2007-11
にほい
久しぶりにアイロンがけをしました。
アイロンからでるスチームのにおいが心を和ませます。
におい、もしくは香りは不思議です。
心の奥深いところに直接届いていきます。
建物にももちろんにおいはあります。
ワックスのにおい、塗装のにおいや木のにおい。
それだけではありません。
建物の屋外から届く、季節ごとの木のにおい、そして雨のにおい等々。
人は自分もそうですが、忙しいと目に見えるものだけしか気にならなくなります。
隙間の時間でアイロンがけをしたとき、嗅覚を含めた五感を意識する大切さをあらためて思いました。
flathouse sakano
リサイクル
先日、あるラジオ番組の収録がありました。
テーマは「環境と建築」です。
そのときにリサイクルの話がでました。
リサイクルでまず思い浮かべるものの一つにペットボトルがあります。
しかし、ペットボトルのリサイクルにはお金がかなりかかります。
なぜなら、ペットボトルをいったん溶かしたりなんだりで、結構手間がかかるからです。
しかし、このことを一気に解決した面白い新興企業がアメリカニュージャージーにあるそうです。
「テラサイクル」という肥料メイカーです。
ミミズを使ってできた肥料を使用済みのペットボトルに詰めて売られています。
店頭に並べられたペットボトルは、ランダムに集められた使用済みのものなので、その形はばらばらです。
しかし、私たちはペットボトルに貼ってあるラベルが統一した色と文字なので、同じ商品だと認識できるようになっています。
また、この会社はこの製品の形がばらばらなのを、あえてブランドの特徴としています。
ペットボトルを溶かすための熱エネルギーを使わなくてもリサイクルは成立したんですね。
商品の容器をデザインせずにして、リサイクルの仕組みそのものをデザインした会社。
まさに、コロンブスの卵。
クールですね。
建築でもこういうのできないかな。
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イベリコと焼そばと菊
街を歩いていたとき、ふと下を見ると、そこには小さなどんぐりが落ちていました。
どこかの公園から転がってきたのでしょうか。
秋ですね。こういう、ちいさな季節感を大事にしていきたいと思います。
先週末、そのどんぐりを食べて育つというイベリコ豚を食べました。
スペイン人の友達の家でパーティーがあり、その時に振舞われたのです。
背中の部分と後ろ足の部分の生ハムを食べましたが、後ろ足の方が柔らかくて美味しかったです。
さて、その次の日には出店がたくさん出ているところを歩いたのですが、たこ焼きもお好み焼きも焼そばも、ほとんどのお店が大盛りをアピールしていました。
おそらくフードファイターの影響だと思います。
その中で、ひときわ目についたのは「爆裂王」という焼そば屋さんです。
なんと、大盛りは量が多すぎてプラスティックのパッケージの蓋が60度ぐらいまでしか閉まりません。そんな半開きの状態のまま半透明のビニール袋にそうっと入れられます。
どうしても気になったので、一つ買いました。500円です。
この焼そばはビニールの袋に箸をつっこみながら食べるのが一つのスタイルのようです。
肉はほとんど見当たりません。大好きなショウガもないです。もやしは少しありました。
あまりにお腹がふくれて、他にも食べたい出店がありましたが、今回はパスしました。
それから数日後、あるところで、食用菊の花びらを食べました。
馥郁(ふくいく)とした香りを目を閉じて楽しみました。
僕は、「ああ、これこれ・・・」と思いました。
極めて、繊細な微妙な世界。
これこそは僕が建築で目指したい世界でもあります。
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