建築を設計している時、時々アポロ13号の映画を思い出します。
アポロ13号が月に向かう途中、ロケットが故障しました。そんな中、ロケット内の空気を清浄する装置も壊れるのです。
その後、NASAでは大きなテーブルの上にアポロ13号内にある機材など色々なものを広げ、「これらがアポロ13号の中にある全てである。これらを組み合わせて、空気清浄機の補修を考えてくれ」と科学者達に要請するシーンがあります。
優秀な科学者達は悩みに悩んで、有り合わせの材料でとうとう空気清浄機を直す組み合わせを作ってしまいます。その組み合わせはペットボトルのようなものや掃除機のホースのようなものなど、空気清浄機とは全く関係のない日用品も取り込まれた極めてアナログ的なものでした。
一方、我々建築家が設計する際、地球上にいるのにも関わらず、非常に選択肢が少ない中で建物の構成物や製品を選ばなくてはならないジレンマを感じる時があります。
特に予算が制約された住宅の設計の場合、特注のデザインが不可能なことが多く、ほとんどが大きなテーブルに広げられたカタログから選択ということも珍しくありません。
しかしながらこの選択はデザインとは違います。
そんなことで悩んでいるときにアポロ13号の大きなテーブルのシーンを思い出すのです。
限定された条件下でも諦めずに価値のあるものを構築するという強い意識がそこにはありました。
諦めないで考えれば思わぬ組み合わせが発見され、価値あるデザインが立ち上がってくるのです。